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2023年(令和5年)いかなご解禁日
昨年2022年(令和4年)のいかなごシンコ漁は、播磨灘・大阪湾ともに3月1日が解禁日でした。
2023年(令和5年)の解禁日は、2月後半頃に発表される予定です。(昨年は、大阪湾は2月21日、播磨灘は24日に発表)
それに先立ち、2月中旬頃「イカナゴシンコ(新子)漁況予報」(兵庫県立農林水産技術総合センター)にて今期の漁況予想が発表される予定です。
終漁日
- 大阪湾・・・未定 ※昨年は3月7日
- 播磨灘・・・未定 ※昨年は3月19日(東播磨は3月17日)
昨年、大阪湾では解禁日の1日以降漁況が芳しくなく、4日~6日を休漁としたものの、7日も不漁だったことから当日終漁が決定されました。実質4日間の出漁となり、一昨年の2日間、昨年の3日間に続く早期の終漁となりました。
播磨灘では、3月19日(東播磨・淡路島西岸は3月17日、姫路以西は3月19日)に終漁、実質17日間(東播磨は15日間)の出漁となりました。
2023年(令和5年)いかなごシンコ漁情報

解禁日以降、魚の棚商店街を中心に、入荷状況や価格などをレポートします。
過去のいかなご解禁日及び終漁日
漁期 | 解禁日 | 終漁日 | |
大阪湾 | 播磨灘 | ||
2022年(令和4年) | 3月1日 | 3月7日 | 3月19日 |
2021年(令和3年) | 3月9日 | 3月11日 | 3月20日 |
2020年(令和2年) | 2月29日 | 3月3日 | 3月6日 |
2019年(平成31年) | 3月5日 | 3月8日 | 3月25日 |
2018年(平成30年) | 2月26日 | 3月17日 | 3月24日 |
2017年(平成29年) | 3月7日 | 3月18日 | 3月22日 |
2016年(平成28年) | 3月7日 | 3月29日 | 4月23日 |
2015年(平成27年) | 2月26日 | 3月27日 | 4月18日 |
2014年(平成26年) | 2月28日 | 4月24日 | 4月26日 |
2023年(令和5年)いかなごシンコ価格値段
解禁日以降に、商店街の値札やSNSの状況を見ながら価格をレポートする予定です。
以下は昨年の価格の状況です。
初日、魚の棚商店街での価格は、朝一番は4000円~3800円/kgくらいの高値でしたが、昨年に比べると1000円ほど安い印象。
平日で天候不良も重なったこともあり客足が伸びず、午前中には3000円ほどまで低下。午後にはさらに大幅に低下していたようです。
朝一番は4000円スタート、お昼前で2000円ほどで販売しているお店が多いようです。
10日~2週間ほど経って、サイズも大きくなり、800円前後に落ち着いているようです。
2023年(令和5年)イカナゴシンコ漁の予測
2月半ば頃に、兵庫県立農林水産技術総合センターから、2023年度のイカナゴシンコ漁の予測が発表される予定です。
2023年(令和5年)イカナゴ稚仔分布調査結果
2023年2月2日に、兵庫県立農林水産技術総合センターから、2023年1月26日,27日,29日の3日間にかけて実施されたイカナゴ稚仔分布調査の結果が発表されています。
稚仔採集尾数平均値(1㎡水柱あたりの尾数)は、播磨灘では昨年の3.4から1.7に減少、大阪湾では昨年の15.1から2.2へと大幅に減少しています。昨年は、大阪湾では平年並みの水準に戻るなど回復傾向が見られましたが、今年はまた減少する結果となってしまいました。

昨年は、解禁以降の不漁から、大阪湾では解禁日から実質4日間、播磨灘でも実質17日間でシンコ漁が打ち切られました。今年はどうなるのでしょうか。
稚仔採集尾数平均値(1㎡水柱あたりの尾数)で見る限りは、今期のいかなごシンコ漁の漁況はかなり厳しいものになりそうです。
2023年(令和5年)イカナゴ親魚調査結果
2023年1月10日に、兵庫県立農林水産技術総合センターから、2023年のイカナゴ親魚調査結果が発表されています。
産卵量指数は、昭和61年を1.00とした場合の今年は0.38となり、平年比では低い数字ながら直近10年の中では比較的高い値となっています。
産卵盛期のズレもあるので、正確な判断は難しいとは思いますが、この数字だけを見ると昨年程度のイカナゴの漁獲量はありそうです。
昨年は魚の棚でも漁期後半には結構量があり価格も下がっていました。今年も少なくとも昨年並みの漁獲量を期待したいですね。
イカナゴの漁獲量推移
平成30年 | 平成31年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 |
1,715(t) | 1,025(t) | 142(t) | 1,467(t) | 1,665(t) |
漁業・養殖業生産統計年報(農林水産省)より
令和3年並びに令和4年の漁獲量は水産課調べ(速報値)
兵庫県のイカナゴ漁獲量は、昭和45年頃には約4万トンもありました。
その後は1万5千トンから3万トン程度で増減していましたが、平成15年以降は1万トン程度にまで減少。平成29年以降は大幅に減少し2千トンを下回る水準。令和3年(2021年)には142トンにまで漁獲量を下げました。
ここ2年程、少し回復傾向が見えてきましたが、以前の漁獲量には遠く及ばない状況です。
解禁日までの予定
1月上旬~解禁日まで、以下のとおり調査・予報が公表される予定です。
- 稚イカナゴ親魚調査結果の公表:1月上旬(公表済)
- 稚仔分布調査結果の公表:1月下旬~2月上旬頃(公表済)
- イカナゴシンコ漁況予報の公表:2月上中旬頃
- シンコ漁解禁日の公表:2月下旬~3月上旬
※稚仔の分布調査とその結果の公表については天候により日程変更の可能性あり
ホームページ イカナゴ情報(兵庫県立農林水産技術総合センター)
いかなごレシピ

いかなごのくぎ煮
いかなごと言えばくぎ煮。くぎ煮の香りがないと春が迎えられません。
各家庭でオリジナルのレシピがありますが、一般的なレシピをご紹介します。
材料(いかなご1kg)
- いかなご新子・・・1kg
- 濃口しょうゆ・・・200cc
- みりん・・・150cc
- 酒・・・100cc
- 砂糖(ざらめ)・・・250g
- 生姜・・・50g
作り方
- 生姜を千切りにしておく
- いかなごをザルに入れ、手早く洗って水をよく切る
- 鍋にしょうゆ・みりん・砂糖(ざらめ)を入れて沸騰させる
- 沸騰したら、いかなごを3回ほどに分けてばらまくように手早く入れる
- 千切りにしたしょうがを入れる
- 中火~強火で15分ほど、アクを取りながら煮る
- アルミホイルで落とし蓋をして泡が沈むまでさらに煮る
- 煮汁が少し残るくらいまで弱火で煮る
- 鍋を軽く振って上下を返したら火を止めてザルに上げて冷ます
いかなごの釜揚げ
新鮮ないかなごの新子が出回るシーズンならではの釜揚げ。
ふっくら柔らかくゆで上げた新子にポン酢やしょうゆをかけていただきます。
くぎ煮にはちょっと大きめのサイズでも釜揚げなら全く問題なし。大きめが安く買えたときにもおすすめ。
材料(いかなご1kg)
- いかなご新子・・・1kg
- 水・・・3L
- 塩・・・100~120g
- 酢・・・大さじ1
作り方
- いかなご新子を流水でよく洗う
- 鍋で水を沸かして塩を入れる(酢を入れると状態が長持ち)
- 茹であがたっらザルに取り冷まして完成
いかなごの唐揚げ
ちょっと大きめのいかなごがあったら唐揚げもおすすめです。
サクっとあがった唐揚げはおつまみにもピッタリです。
「満天☆青空レストラン」 でも紹介されていましたが、ビールとの相性もばっちり!
※身が柔らかいので油に入れた直後は触らず衣が固まるまで待つときれいに出来上がります
材料(2人分)
- いかなご新子・・・150g
- 片栗粉・・・大さじ3
- 塩・・・少々
作り方
- いかなご新子を洗って水気をとる
- 片栗粉をまんべんなくまぶす(まぶしたらすぐ揚げる)
- 170~180度に熱した油で揚げる
- 塩をまぶして完成
海の“きれいすぎ”がイカナゴ不漁の原因?

(ひょうご豊かな海発信プロジェクトのパンフレット抜粋)
イカナゴ不漁の原因には、産卵場所である海底の砂地の減少や埋め立てによる水質変化など色々あるようですが、海がきれいになりすぎたことも一因となっているようです。
1970年代、生活排水による瀬戸内海の水質悪化に伴い排水基準の規制が強まったことで水質が改善した一方で、海水中の栄養塩の低下にもなってしまい、結果イカナゴの不漁につながっている可能性があるようです。
この件に関して平成30年度兵庫県規制改革推進会議審議案件の中でも審議されており、栄養塩管理運転実施の観点から、水の汚れを示す生物化学的酸素要求量(BOD)の規制値の基準が見直される方針のようです。
子供時代には当たり前のように食卓に出てきたイカナゴのくぎ煮も今ではすっかり高級魚になってしまいました。また昔のようにイカナゴの数が増えてくるといいですね。
ホームページ 平成30年度兵庫県規制改革推進会議報告書