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2024年(令和6年)いかなご解禁日
・大阪湾:今季見送り
・播磨灘:3月11日(月)解禁
※昨年は播磨灘・大阪湾ともに3月4日
当初3月9日(土)が解禁日でしたが、当日強風が予想されるため、播磨灘の解禁日は3月11日(月)に延期されました。大阪湾は中止。
協議が続いていましたが、本日2月26日(月)に、いかなごシンコ漁解禁日が発表されました。
大阪湾では今季の漁は見送り、播磨灘は3月9日(土)解禁となりました。播磨灘での漁期は解禁後の水揚げ状況から判断することになりますが、早々に終漁となる可能性も高そうです。
2月19日に発表された「イカナゴシンコ(新子)漁況予報」(兵庫県立農林水産技術総合センター)では、今年も平年に比べ低水準で、今漁期は2017年漁期以降の不漁年の中でも最も厳しい漁模様となると予想されています。
終漁日
- 大阪湾・・・今季休漁 ※昨年は3月8日
- 播磨灘・・・3月11日終漁 ※昨年は3月17日
大阪湾では今季の漁を見送り。播磨灘では3月11日(月)に漁解禁となったものの、水揚げが少なく1日で終漁となりました。
2024年(令和6年)いかなごシンコ漁情報
(2024/3/11)いかなご解禁日初日情報
初日は9時頃に朝一番が入荷。
朝一番の値段は7,000円/kg前後のお店が多いようです。
不漁で高値が予想されていましたが、想像以上の値段ですね。
初日にしてはサイズも大きくなっているようです。
大阪湾では休漁ですが、播磨灘でも水揚げはかなり少なそうです。
過去のいかなご解禁日及び終漁日
漁期 | 解禁日 | 終漁日 | |
大阪湾 | 播磨灘 | ||
2023年(令和5年) | 3月4日 | 3月8日 | 3月17日 |
2022年(令和4年) | 3月1日 | 3月7日 | 3月19日 |
2021年(令和3年) | 3月9日 | 3月11日 | 3月20日 |
2020年(令和2年) | 2月29日 | 3月3日 | 3月6日 |
2019年(平成31年) | 3月5日 | 3月8日 | 3月25日 |
2018年(平成30年) | 2月26日 | 3月17日 | 3月24日 |
2017年(平成29年) | 3月7日 | 3月18日 | 3月22日 |
2016年(平成28年) | 3月7日 | 3月29日 | 4月23日 |
2015年(平成27年) | 2月26日 | 3月27日 | 4月18日 |
2014年(平成26年) | 2月28日 | 4月24日 | 4月26日 |
2024年(令和6年)いかなごシンコ価格値段
解禁日初日は7,000円前後のお店が多いようです。
初日の水揚げも少ない様子で、値下がりも少ないまま終漁になる可能性も。
2024年(令和6年)イカナゴシンコ漁の予測
2024年2月19日に、兵庫県立農林水産技術総合センターから、2024年度のイカナゴシンコ漁の予測が発表されました。
シンコ漁の予測
昨漁期の漁獲量は、播磨灘、大阪湾、紀伊水道の3海域において平年(標本漁協における昭和62年~令和3年の2、3月のシンコ漁獲量の平均値を基本とする)を大きく下回り、紀伊水道では漁獲されなかったが、播磨灘、大阪湾では一昨年同様低水準であった。
今漁期の産卵量は、低水準であった昨年を大きく下回り、稚仔の分布量は3海域とも昨年を下回った。これらのことから、今漁期のシンコ漁獲量は平年と比較すると依然として低水準であると考えられ、3海域とも平年を大きく下回り、特に今漁期は2017年漁期以降の不漁年の中でも最も厳しい漁模様が予想される。
※)シンコの網おろし日は各地区漁業者の自主的判断によるが、過去の経験から網下ろしが早過ぎた場合には不漁になる可能性が高い。網おろし日の決定にあたってはこの点を十分に考慮する必要がある。
なお、イカナゴの資源量は近年でも最低の水準であり、危機的な状況であることから、将来にわたって持続的な漁獲を目指していくためには、イカナゴ資源を最大限残すことを考慮した取組が必要である。
2024年(令和6年)イカナゴ稚仔分布調査結果
2024年2月2日に、兵庫県立農林水産技術総合センターから、2024年1月25日・26日・29日の3日間にかけて実施されたイカナゴ稚仔分布調査の結果が発表されています。
稚仔採集尾数平均値(1㎡水柱あたりの尾数)は、播磨灘では昨年の1.7から0.3に減少、大阪湾では昨年の2.2から0.4へ、どちらの海域も昨年に引き続き大幅に減少しています。大阪湾では一昨年に平年並みの水準に戻るなど回復傾向が見られていましたが、ここ2年は連続で減少する結果となってしまいました。
昨年は、解禁以降の不漁から、大阪湾では解禁日から実質4日間、播磨灘でも実質11日間でシンコ漁が打ち切られました。今年はどうなるのでしょうか。
稚仔採集尾数平均値(1㎡水柱あたりの尾数)で見る限りは、今期のいかなごシンコ漁の漁況もかなり厳しいものになりそうです。
海域 | 2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 |
播磨灘 | 0.3 | 1.7 | 3.4 | 2.5 |
大阪湾 | 0.4 | 2.2 | 15.1 | 3.5 |
2024年(令和6年)イカナゴ親魚調査結果
2024年1月9日に、兵庫県立農林水産技術総合センターから、2024年のイカナゴ親魚調査結果が発表されています。
産卵量指数は、昭和61年を1.00とした場合の今年は0.17となり、平年の3.11を大きく下回り、昨年の0.38も下回る値となっています。
産卵盛期のズレもあるので、正確な判断は難しいとは思いますが、この数字だけを見ると今年のイカナゴの漁獲量も厳しそうです。
昨年は魚の棚でも漁期後半には結構量があり価格も下がっていました。今年もせめて昨年並みの漁獲量があればいいんですけどね。
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
0.17 | 0.38 | 0.32 | 0.11 | 0.06 |
イカナゴの漁獲量推移
平成31年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 |
1,025(t) | 142(t) | 1,467(t) | 1,665(t) | 1,209(t) |
漁業・養殖業生産統計年報(農林水産省)より
令和4年並びに令和5年の漁獲量は水産課調べ(速報値)
兵庫県のイカナゴ漁獲量は、昭和45年頃には約4万トンもありました。
その後は1万5千トンから3万トン程度で増減していましたが、平成15年以降は1万トン程度にまで減少。平成29年以降は大幅に減少し2千トンを下回る水準。令和3年(2021年)には142トンにまで漁獲量を下げました。
ここ3年程、少し回復傾向が見えてきましたが、以前の漁獲量には遠く及ばない状況です。
解禁日までの予定
1月上旬~解禁日まで、以下のとおり調査・予報が公表される予定です。
- 稚イカナゴ親魚調査結果の公表:1月上旬(公表済)
- 稚仔分布調査結果の公表:1月下旬~2月上旬頃(公表済)
- イカナゴシンコ漁況予報の公表:2月上中旬頃
- シンコ漁解禁日の公表:2月下旬~3月上旬
※稚仔の分布調査とその結果の公表については天候により日程変更の可能性あり
ホームページ イカナゴ・シラス情報(兵庫県立農林水産技術総合センター)
いかなごレシピ
いかなごのくぎ煮
いかなごと言えばくぎ煮。くぎ煮の香りがないと春が迎えられません。
各家庭でオリジナルのレシピがありますが、一般的なレシピをご紹介します。
材料(いかなご1kg)
- いかなご新子・・・1kg
- 濃口しょうゆ・・・200cc
- みりん・・・150cc
- 酒・・・100cc
- 砂糖(ざらめ)・・・250g
- 生姜・・・50g
作り方
- 生姜を千切りにしておく
- いかなごをザルに入れ、手早く洗って水をよく切る
- 鍋にしょうゆ・みりん・砂糖(ざらめ)を入れて沸騰させる
- 沸騰したら、いかなごを3回ほどに分けてばらまくように手早く入れる
- 千切りにしたしょうがを入れる
- 中火~強火で15分ほど、アクを取りながら煮る
- アルミホイルで落とし蓋をして泡が沈むまでさらに煮る
- 煮汁が少し残るくらいまで弱火で煮る
- 鍋を軽く振って上下を返したら火を止めてザルに上げて冷ます
いかなごの釜揚げ
新鮮ないかなごの新子が出回るシーズンならではの釜揚げ。
ふっくら柔らかくゆで上げた新子にポン酢やしょうゆをかけていただきます。
くぎ煮にはちょっと大きめのサイズでも釜揚げなら全く問題なし。大きめが安く買えたときにもおすすめ。
材料(いかなご1kg)
- いかなご新子・・・1kg
- 水・・・3L
- 塩・・・100~120g
- 酢・・・大さじ1
作り方
- いかなご新子を流水でよく洗う
- 鍋で水を沸かして塩を入れる(酢を入れると状態が長持ち)
- 茹であがたっらザルに取り冷まして完成
いかなごの唐揚げ
ちょっと大きめのいかなごがあったら唐揚げもおすすめです。
サクっとあがった唐揚げはおつまみにもピッタリです。
「満天☆青空レストラン」 でも紹介されていましたが、ビールとの相性もばっちり!
※身が柔らかいので油に入れた直後は触らず衣が固まるまで待つときれいに出来上がります
材料(2人分)
- いかなご新子・・・150g
- 片栗粉・・・大さじ3
- 塩・・・少々
作り方
- いかなご新子を洗って水気をとる
- 片栗粉をまんべんなくまぶす(まぶしたらすぐ揚げる)
- 170~180度に熱した油で揚げる
- 塩をまぶして完成
海の“きれいすぎ”がイカナゴ不漁の原因?
イカナゴ不漁の原因には、産卵場所である海底の砂地の減少や埋め立てによる水質変化など色々あるようですが、海がきれいになりすぎたことも一因となっているようです。
1970年代、生活排水による瀬戸内海の水質悪化に伴い排水基準の規制が強まったことで水質が改善した一方で、海水中の栄養塩の低下にもなってしまい、結果イカナゴの不漁につながっている可能性があるようです。
この件に関して平成30年度兵庫県規制改革推進会議審議案件の中でも審議されており、栄養塩管理運転実施の観点から、水の汚れを示す生物化学的酸素要求量(BOD)の規制値の基準が見直される方針のようです。
子供時代には当たり前のように食卓に出てきたイカナゴのくぎ煮も今ではすっかり高級魚になってしまいました。また昔のようにイカナゴの数が増えてくるといいですね。
ホームページ 平成30年度兵庫県規制改革推進会議報告書